ピアサポートグループ「つくしんぼ」

つくしんぼ

ピアサポートグループ「つくしんぼ」とは

「つくしんぼ」とは、月1回、児童期思春期疾患や問題を抱える子供の家族が集まって話をするピアサポートグループの名称です。カウンセラーには、当財団顧問として、また国立病院東京医療センターにて精神科看護師長として、摂食障害治療の現場に長く携わり、「最新版 拒食症・過食症の治し方がわかる本(主婦と生活社)」の著者である濱中禎子先生をお迎えしています。濱中先生の他、当院の心療科(精神科)部長である大地医師、看護師、アドバイザー(症状が回復傾向にある子供の家族)も参加します。経験・知識の豊富なメンバーと本音で話し合い、つらい過去から脱出した家族の生の声を聴くことで、参加者同士が共感し合ったり、学びあったりする人間関係を築くことが出来ます。それによって家族の心の負担を減らし、子供に対する対応が変化することで、子供たちが回復に向かうことを目的としています。
 

摂食障害とは

摂食障害は2分されており、一般的には拒食症、過食症の名で知られています。若い女性に圧倒的に多くみられますが、近年では年齢や性別の分布も広がっています。食べることを拒否する拒食症と、大量の食べ物を食べては吐いたり、下剤を飲んで排泄したりする過食症は、一見まったく別の病気のように思われますが、いずれも「肥満に対する恐怖」や「やせ願望」など共通する部分があり、実際に拒食症から過食症へ、あるいは逆の移行はよく見られる現象です。
 

カウンセリング

医師による診療と同時に、経験豊かなカウンセラーによる個人面談、さらに家族を集めての面談をおこない、各々の言い分を聞き、問題点を整理します。家族で家庭内の問題を考え話し合い、患者さんをいかにサポートするかを考え、病気そのものをきちんと理解し、それに対する具体的なサポートの方法を学びます。特に摂食障害の治療法には、患者さんの年齢に関係なく家族の理解がとても重要です。患者さんに対する家族の対処の仕方が変わってくると、患者さんの状態は非常に安定します。親御さんも一人で悩んでいるより、大きな安心感が得られるはずです。摂食障害はどうしても治療までの時間が長くなるので、家族の精神衛生もよくしておくことが大切です。
 

参加の流れ

参加の流れ図

「つくしんぼ」への参加をご希望の方は、お電話にてお申込みをしていただきます。
患者さんがどのような状態であるのかを判断するため、大地医師の外来を受診していただきます。次に個別のオリエンテーションをおこない、ピアサポートグループについてのご説明、ご質問にお答えいたします。その後「つくしんぼ」への参加となります。月1~2度カウンセリング(自費)を並行しておこないます。

 

参加費

1回 3,000円
 

開催予定スケジュール

毎月第3水曜日(祝日の場合はその前日)14時からおこないます。
※新型コロナウイルス感染症の影響により、現在は休会しております。
 
河北総合病院の公認心理師による自費カウンセリングはおこなっておりますので、こちらをご確認ください。

臨床心理についてはこちら

 

ご相談・お問い合わせ

河北医療財団 心のケアセンター
TEL:03-3339-2121(代)
月~金曜日※祝日を除く 10:00 ~ 17:00
E-mail:kokoro@kawakita.or.jp
 

スタッフ紹介

顧問 濱中 禎子

濱中 禎子

つくしんぼでは、摂食障害や不登校などの問題を抱える子どもの家族が集まって話をする「ピアサポートグループ」をおこないます。

ピアサポートグループには、医師やカウンセラー、看護師、症状が回復傾向にある子どもの保護者も参加します。経験や知識の豊富なメンバーと本音で話し合い、つらい過去から脱出した保護者の生の声を聞くことで、子どもへの効果的な対応を学ぶことができます。それによって家族の心の負担を減らし、子どもに対する対応が変化することで、子どもたちが回復に向かうことを目的としています。

心療科(精神科)医師 大地 武

大方の精神科医にとって、摂食障害をはじめとする思春期疾患は、薬物療法の効果があまり期待できず、治療に長期間を要することが多いため、対応が難しい疾患のひとつです。現に思春期を専門とする精神科医は限られており、ニーズに十分応えられる状況にないのが実情です。

摂食障害の低年齢化が指摘されている昨今、潜在的なニーズは多いものと思われます。しかし、外来診療では時間的な制約があり、簡単な疾病教育や家族教育はできても、十分に時間をさくことができないもどかしさを感じていました。保護者の接し方が変わることで、治療ゴールが見えてきます。月1 回行われる会の中で、保護者の方々が子どもたちに対して、慌てず自信を持って対応している様子を聞けることが楽しみになってきています。自分にとって生の声を聴く機会はめったになく、貴重な体験だと思っています。